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循環器内科

地域の皆様の安心と満足を得られるような循環器診療を目標としております。


(※)は女性医師です。

循環器内科よりご挨拶

 循環器内科は、地域の皆様の安心と満足を得られるような循環器診療を目標としております。

 国が実施した循環器疾患基礎調査対象者の長期追跡研究NIPPON DATAから、日本人の脳血管障害や心筋梗塞による死亡の絶対リスクが明らかにされました。年齢、性別、糖尿病の有無、喫煙歴の有無、血圧値、総コレステロール値などを入力すると10年間での死亡率が推定できます。例えば、60代の男性、糖尿病(+)、喫煙習慣(+)、収縮期血圧が160mmHg、総コレステロール240mg/dLの場合は、10年間で脳血管障害や心筋梗塞により死亡する確率は15−30%となります。脳血管障害による死亡率は5−10%ですが、脳血管障害を発病して寝たきりなどの傷害発症率はこの研究では不明ですが発症率は高いと思われます。同じ、60代の男性で、糖尿病(ー)、喫煙習慣(ー)であとの検査値が同じ場合は、死亡率は5−15%と半分以下となり、生活習慣改善の重要性が具体的に判るようになってきました。

 循環器内科外来では、このように患者様ごとの具体的なリスクを説明し、生活習慣の改善や内服治療の必要性を理解していただいてからの治療をしております。NIPPON DATAは、1980年の検査方法でしたが、最近は血液検査(BNP)で、循環器疾患のリスクが評価できるようになりましたので、BNPなどの血液検査、心電図、画像診断を総合して、地域の皆様で、脳血管障害や心筋梗塞の既往のある方には、繰り返さないように二次予防を、健康な方には、発病を予防するようにして、少しでも健康年齢をあげられたらと思い診療しております。

循環器内科の特徴

 循環器内科は、高血圧、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)、心不全、不整脈、弁膜症、心筋疾患など様々な循環器疾患の診断と治療. また脳梗塞、大動脈瘤、末梢動脈疾患、深部静脈血栓症(肺動脈塞栓)の診断と治療を行っています。心電図、胸部レントゲン写真、心エコー、トレッドミル運動負荷テスト、24時間心電図、24時間血圧計、CT検査、MRI検査等の非侵襲的検査を行っています。さらに、高度な治療や精密な検査・治療が必要なときは、滋賀医科大学附属病院、彦根市立病院、湖東記念病院、近江八幡総合医療センターと連携をとり対応しています。

対象疾患と治療方法

高血圧症

【特徴】 
 現在、我が国の高血圧人口は約4300万人と推定されます。高血圧は、ほとんど症状はありませんが、脳卒中、心臓病、腎臓病などの原因疾患となります。

【治療】
 学会から推奨された最新のガイドラインをもとに診断と治療にあたりっております。

虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)

【特徴】
 心臓の筋肉(心筋)に血液を送る3本の動脈(冠状動脈)が動脈硬化により狭くなったり、塞がったりして、そこから先の心筋が酸素不足に陥る状態を虚血性心疾患と呼び、診断は造影CT、運動負荷心電図で行います。冠状動脈が細くなり(狭窄)心筋が一時的に酸素不足に陥るのが狭心症で、冠状動脈が完全に詰まってしまう(閉塞)のが心筋梗塞です。

【症状】
 胸部圧迫感、胸痛、冷汗などの症状を伴うことが多いのですが、高齢者はそのような症状は少なく、気分不快感などの不定愁訴も多いです。

【治療】
 急性心筋梗塞の場合は、診断に心電図と迅速血液検査、心臓超音波検査が必要で、豊郷病院では30分程度で測定可能な心筋トロポニン測定で対応しております。カテーテル検査・治療が必要な場合は前述の病院へ紹介しております。

心不全

【特徴】
 心不全とは心臓のポンプ機能の低下により様々な症状があれわれる病気です。呼吸困難などの症状が、急におこってくるのが急性心筋梗塞などによる急性心不全で、徐々に症状が増悪するのが慢性心不全です。慢性心不全は、高齢者に多く、高血圧、糖尿病、狭心症、心筋梗塞などの病気が原因となります。心不全などによる心臓病による死亡率は、癌についで2番目に多く早期診断と治療が重要です。

【症状】
 特徴的な症状は、浮腫みや息切れで、息切れは軽症な場合は階段や坂道を登ったときにおこりますが、重症になると平地歩行や安静にしていても夜間に苦しくて目覚めることがあります。息切れや呼吸困難は、心不全でなくとも肺の病気でもおこります。専門医でないと、心不全と肺の病気の鑑別が困難なときがあります。

【治療】
 一旦、心不全で入院された患者様は、退院後の1年間の死亡率や再入院率は高く、血液検査(BNP)で早期診断や重症度の評価が可能になっています。

不整脈

【特徴】
 様々な不整脈がありますが、心房細動は高齢者に多く見られる不整脈です。
加齢とともに増加し、70歳代の3-5%、80歳代の5-10%程度の割合で起こる比較的起こりやすい不整脈です。明確な自覚症状がない場合もあり比較的軽度な不整脈と判断されがちですが、心房細動が持続すると心房内に血液の流れがよどみ、血栓(血液の塊)ができやすくなります。特に左房でできた血栓が脳にとび、脳の主要な血管(脳動脈)が閉塞されると脳梗塞を引き起こしてしまいます。

【症状】
 自覚症状としては、動悸や失神発作などがあり、発作に気づかずに健康診断等でたまたま見つかることも多くあります。

【治療】
 心電図、ホルター心電図などで診断し、原因となる疾患や遺伝歴を確認し、適切な治療を行っております。遺伝歴のある不整脈や難治性不整脈は、大学をはじめ関連病院に紹介しております。前述の心房細動は致死的な不整脈ではありませんが、脳梗塞予防にリスクの高い患者さんには抗凝固薬が有効ですが、出血性の副作用もあり専門医が個別に相談し、検査して対応しています。

末梢動脈疾患

【特徴】
 全身(主に下肢動脈等の末梢血管)の動脈硬化性疾患のことを指します。以前はよく閉塞性動脈硬化症という言葉が使われていましたが、高齢化の影響もあり、最近はより広い疾患概念である末梢動脈疾患という言葉に変わりつつあります。動脈硬化は心筋梗塞、脳梗塞のみにとどまらず全身の血管に起こりえる病態です。

【症状】
 下肢動脈の血流の低下の程度にともない、下肢のしびれ、冷感
、間歇性跛行(ある程度歩くと足の痛みが生じるが、一旦休憩すると、また歩けるようになること)、安静時疼痛
、潰瘍、壊死と重症化します。そのような患者さんは症状が軽いうちに受診をお勧めします。

【治療】
 ABI(足関節上腕血圧比)、血管エコー、造影CTにて総合的に診断と治療を行なっています。

大動脈瘤

【特徴】
 大動脈瘤は、高血圧や動脈硬化などのために、胸部大動脈あるいは腹部大動脈の径が拡大し、こぶ状になってきたものです。

【症状】
 多くの大動脈瘤は、徐々に径の拡大が進行するために、初めはほとんど症状がありません。とくに、胸部大動脈は胸のなかにあるため胸部大動脈瘤の自覚症状は乏しく、胸部X線写真で異常な影を指摘されて、初めて気づくことがまれではありません。腹部大動脈瘤は、へそのあたりにどきどきと拍動するこぶを触れることにより発見されることが多いのですが、痛みを伴うことはまれなため見過ごされることもめずらしくありません。大動脈瘤が怖いのは、破裂することがあるためです。大動脈瘤が破裂すると大量に出血するため、破裂した動脈を人工血管に取り替えないかぎり助かりません。破裂した場合の致死率は、かなり高いと考えられます。

【治療】
診断はCT検査で、破裂のリスクが高いと心臓血管外科に紹介します。

深部静脈血栓症(肺動脈塞栓)

【特徴】
 末梢動脈疾患と異なり、主に下肢の静脈のなかで血液が凝固することがあり、これが深部静脈血栓症で、できた血液のかたまり(血栓)が血管のなかを流れて肺の動脈に詰まる病気が肺血栓塞栓症です。深部静脈血栓症と肺血栓塞栓症は連続した病気ですので、合わせて静脈血栓塞栓症と呼んでいます。

【症状】
 体動がすくなく座位の時間が長かく、脱水傾向を伴うとおこる可能性があります。下肢の静脈に血栓ができて血管が完全に詰まってしまうと、血液が流れなくなり、血液がたまって下肢がはれます。血栓ができても一部が血管の壁にくっついているだけで、血管が完全に詰まらなければ、下肢のはれなどの症状は起こりません。このタイプの深部静脈血栓症は、血栓が何らかの原因で血管の壁からはがれて血流にのり、肺動脈に詰まって肺血栓塞栓症を起こすまで症状がないので、気づかないことが多く危険です。肺血栓塞栓症は、肺動脈の狭い範囲に起これば症状はありません。少し範囲が広くなると、胸の痛みや苦しさが出て、時には咳や血の痰が出たりします。大きな血栓が肺動脈の本管に詰まると心臓停止と同じような症状が起こり、詰まった範囲が広い場合には死亡する可能性があります。

【治療】
 血液検査、造影CTなどで診断、血栓を溶かす治療薬投与します。再発のリスクの高い患者さんには、抗凝固薬を投与します。エコノミークラス症候群とも言われますが、死亡するような肺血栓塞栓症は、起こってから治療することはできないので、予防を心がける必要があります。

解離性大動脈瘤(急性大動脈解離)

【特徴】
 胸背部の激痛やショックなどで発症し、大動脈の壁に内膜亀裂(裂け目)が生じ、中膜内に血液が流入し、大動脈が真腔と偽腔に分離された状態を大動脈解離といいます。解離はしばしば、大動脈が始まる胸部から腹部大動脈の分岐部(ぶんきぶ)を越え、その末梢(まっしょう)にまで達します。

【治療】
 診断は造影CTで行い、リスクが高いと心臓血管外科に紹介します。