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臨床工学科

 臨床工学技士はCE(Clinical Engineer)と呼ばれ、医療機器の進歩に伴い、医学的、工学的な知識を持つ専門職が必要となったためにつくられた医療職です。病院には数多くの命を守る装置が日々活躍しています。これら装置は近年複雑かつ、高度なものになってきています。臨床工学技士は、医師や看護師や各種の医療技術者とチームを組んで生命維持装置の操作などを担当しています。また、医療機器がいつでも安心して使用できるように保守・点検を行っています。


臨床工学技士

呼吸療法認定士取得者3名

 当院の臨床工学技士は2016年6月現在5名で業務を行っています。主に呼吸療法を軸に、睡眠時無呼吸症候群の解析、CPAP導入・解析、人工透析・各種血液浄化(アフェレーシス)、機器管理等の業務を行っています。また、医療機器安全管理に関する研修会・勉強会も開催しています。もちろん、上記にない業務・機器も随時可能な限り当科で請け負っています。

呼吸療法・人工呼吸器業務

 人工呼吸器は、呼吸機能を代行する生命維持管理装置であり、装置の異常や人工呼吸回路の誤接続は直ちに患者様の生命に係わります。臨床工学技士は、使用前点検として装置への人工呼吸回路のセッティング、使用後の終業点検を行います。定期点検では、時間毎の部品交換と点検(校正)を確実に行うことによって人工呼吸器の信頼性を維持し、安心して患者さんに使用できるよう管理を行っています。使用中の安全管理としては、人工呼吸器装着患者様を巡回し、点検リストをもとに人工呼吸器の使用環境と動作状況、設定条件と実測値の差を確認し、呼吸器が安全に使用できているか、異常はないかを点検しています。
 特にNPPV療法に力を入れ、多種多様な機器を揃えています。また、マスクフィッティングは特に重要視しています。
 ハイフローセラピー療法(ネーザルハイフロー)も行っています。経皮血中ガス分析モニターにてPO2・PCO2を測定しています。

呼吸療法、人工呼吸器の臨床工学技士の仕事

呼吸器研修会

  • 人工呼吸器のセットアップ
  • 人工呼吸器の回路交換
  • 人工呼吸器の保守点検
  • 院内の人工呼吸器のラウンド
  • 人工呼吸器の安全管理対策
  • 人工呼吸器の安全管理対策
  • 人工呼吸器の研修会開催
  • 人工呼吸器メンテナンス
  • 酸素流量計の点検

血液浄化業務

急性血液浄化とは

 急性血液浄化療法とは、至急に血液中に存在する病因物質を除去、もしくは不足している物質を補うことで、血液の成分を調整する治療のことを言います。一時的に腎機能障害が著しく悪化した場合、それによって本来排泄されるべき物質が体内に蓄積し尿毒症という身体全体の合併症を引き起こします。血液浄化療法を用いて尿毒症を起こす物質を除去し、全身状態を維持しながら腎臓病の治療を行うのが、急性血液浄化療法です。

慢性維持透析とは

 腎不全となった患者さんに、体外循環技術を利用して、体内に溜まった老廃物や余剰な水分を除去することができる治療法です。通常、血液の出入口であるシャントを作製した前腕に針を2本刺し、血液を取り出す回路(動脈側血液回路)と血液を体に返す回路(静脈側血液回路)を接続します。血液ポンプによって脱血された血液は、透析器(ダイアライザ)を通り、ここで血液中の老廃物や水分が除去され、体内に返されます。この一連の流れを4時間続けることによって、老廃物や水分が正常な血液に近い値となって1回の透析を終了します。血液透析(HD)以外にも、さまざまな血液浄化を行っています。

血液浄化療法の臨床工学技士の仕事

CHDFプライミン

a) 急性血液浄化療法の種類
  • 血液濾過(HF) 血液透析濾過(HDF)
  • 血液吸着(HA)、直接血液灌流(DHP)
  • 血漿吸着(PA)、単純血漿交換法(PE)
  • 二重膜濾過血漿交換法(DFPP)
  • 持続的血液濾過透析(CHDF)腎代替(CRRT)
  • 腹水濾過濃縮再静注法(CART)
  • 白血球除去療法(L-CAP,G-CAP)など

b) 人工透析室での業務の流れ
  • 透析装置、透析液の準備
  • 透析装置への回路の装着
  • 穿刺の準備
  • 穿刺
  • 透析装置の操作、設定
  • 透析中の状態観察
  • 透析終了時の透析装置の操作
  • 透析終了時の針の抜針
  • 透析装置の洗浄

c)透析液水質管理(全台)/月

血液浄化センター

医療機器業務

 院内で使用されている医療機器の修理・点検、人工呼吸器の管理、回路交換、患者監視モニターの使用状況把握などの業務を行っています。また、医師や看護師、その他医療従事者を対象とした、機器に関する勉強会・研修会なども行っています。主に行っている研修会はAEDと輸液ポンプ、シリンジポンプ、パルスオキシメータ、モニター等になります。当院の臨床工学技士は、メーカーの講習を受け、院内で修理できる体制を整えています。

機器関連の臨床工学技士の仕事

  • 医療機器の管理(Meister)
  • 医療機器の保守・点検
  • 医療機器の修理
  • 医療機器の研修会
  • 消耗品の管理
  • 医療機器機種選定

睡眠時無呼吸症候群(SAS)に関する業務

 豊郷病院は県内でも数少ないPSG解析での睡眠時無呼吸症候群の治療を行っている病院です。睡眠時無呼吸症候群は読んで字のごとく「睡眠時」に「無呼吸」状態になる病気です。英語ではSleep Apnea Syndrome(SAS)と書きます。「無呼吸」とは10秒以上の呼吸停止と定義され、この無呼吸が1時間に5回以上または7時間の睡眠中に30回以上ある方は睡眠時無呼吸症候群と診断されます。約200名CPAP導入しています。

※AI(Apnea Index)=無呼吸指数

重症度分類

 睡眠1時間あたりの「無呼吸」と「低呼吸」の合計回数をAHI(Apnea Hypopnea Index)=無呼吸低呼吸指数と呼び、この指数によって重症度を分類します。なお、低呼吸(Hypopnea)とは、換気の明らかな低下に加え、動脈血酸素飽和度(SpO2)が3~4%以上低下した状態、もしくは覚醒を伴う状態を指します。

睡眠時無呼吸症候群の臨床工学技士の仕事

  • PSG解析
  • 携帯用睡眠時無呼吸解析装置(SAS-2100)の解析
  • パルスオキシメータ解析(DS—M)
  • 持続的陽圧呼吸器(CPAP)用ソフトによる解析
  • 種々の持続的陽圧呼吸器(CPAP)の保守点検操作、使用方法の説明
  • CPAP導入・機器説明、マスクフィッティング
  • ネムリンク装着、データ抽出

※ネムリンクとは→携帯電話網を利用することで、機器の稼働状況などのデータを簡単にサーバに自動送信できるすぐれもの!